襖紙

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「……どういう意味だ?」

「被害者は大きく分けて二つのタイプがある。一つは、三桜弥生さんのように、行方不明、あるいは失踪というタイプ」

「……なるほど。もう一つは、血を抜かれた死体、か」

 探偵は頷きつつ、険しい目付きで答えた。

「同じ犯人によるものだと思えるか? かたや目撃者が一人もいない場所で冷静に犯行を重ねる者で、かたや人通りの多い場所でも所構わず襲い、さらには死体を放置していく……ギャップがありすぎる。一回や二回なら不測の事態が起こりやむなく、とも考えられるが、幾度となくだ。事件の異様さ、起こった時期……それと、行方不明になった人はすでに殺され、発見されていないだけだろうと思い込んでいたが……」

探偵は腕を組んで思案しはじめ、女に眼を向けた。

「なあ、あんたはその吸血鬼と闘った時、どういう印象を持った?」

「え? 印象って?」

 質問の意味がわからんのか、女の眉が寄る。

「そいつが、周りを気にせずに襲い掛かるような奴か、あるいは人目を避けてこっそり襲うような奴か、という意味だよ」

「んー……まず間違い無く、後者ね。人目が多い所では、襲ってこなかったし、タイミングを計っているのは私でもわかったから」

……話すタイミングとしては、今が最適だろう。オレはこれまで意図的に伏せていた情報を話すことにした。

「この吸血鬼は、渇いているのだろうな」

「渇いている?」

 女と探偵が不可解そうな声をあげる。やはり女は地上に墜ちて日が浅いせいか、はたまた単に無知なのかは知らないが……異端種・吸血鬼の生態について詳しく知らないようだ。

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