ビルウィス
「まあ、じゃあ宿題頑張ッテ。今日はボク、帰るカラ」
「え、あ、うん、それじゃあ、気を付けて帰ってね」
だけど、僕の言葉に彼女は、
「ダイジョウブ! 殺人事件も行方不明者も当分は出ないヨ! 大本とそれが直接動かす人形は見つけてないケド、自動人形は全部潰したシ、もう一人の方も処理したカラ!」
そう言って彼女は照っている月を背に歩み去っていく。
最後までホラ吹き……でも、この開けっ放しだった玄関、どうしよう?
僕はう〜ん、と唸り、どうしようと腕を組んで……
「……あれ? そう言えば……『今日はボク、帰るカラ』って」
今日は?
……どういう事だろう?
*
「それにしてもカワイイなぁ、アキクンは。ホントは怖かっただろうに、あんなイッショウケンメイに……」
ルナは夜道を歩きながら声を忍ばせ笑っていたが、不意にその眼を真剣なものにする。
「でも、ボクの精神干渉が利かないのはキョウ以外じゃ初めてダ。自動人形の気配にも気付いて反応しタシ……」
そう、明弘にばかり注意していたとはいえ、自分よりも早く自動人形に気付いたのだ。才能なら、キョウ並み、いや、以上かもしれない。
ルナはその考えに至り、笑みを深くする。
「……噛んで、伴侶にしちゃおうかな? あれだけ才覚があるナラ、噛んでも間違い無く適合するだろうシ……アキクンとの殺し合いって、キョウよりもゾクゾクしそうダヨ!」