僕
僕は首を横にブンブン振った。やっぱり、さっきのは錯覚だったんだろう、眼は青のまま……っと、そんなのはどうでもいい! とにかく、戸崎一中に、ハーフの人なんていない! そんな人がいたら、僕は間違いなく、覚えている!
「だって……君、ここの生徒じゃないでしょう?」
だから、この人は、ゼッタイ、ここの生徒じゃない!
でも、制服はここのなんだ……お姉さんのとか……あるいは、僕より年下に見えるけど意外に年上で、実はもう卒業した先輩だったりして……そう、それこそが、僕がこうして彼女と話している理由……だって、僕が屋上にいるってこと先生にチクラレたら……!
ルナはちょっとびっくりした後、クスクス笑って、
「……スゴイなぁ。うん、そうだヨ。ボク、ここの生徒じゃないヨ、君の言うとおり」
甲高い声であっさり肯定した……僕は、ただ『こんな子はいなかったなぁ』と知っていただけで、別にスゴイことは……
「でもキミが考えているように、センセにチクッたらどうなるかナ? ネエ?」
「わわわわわ! お、お願い! お願いだから言わないで!」
「うーん……それには条件があるナァ」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、ルナは口元を小さな手で隠した。
……初対面がこうだったからか、僕の気弱な性格のせいか、三日目にもなると、(……最初からそうだった気もするけど)僕とルナでは主導権はもっぱら彼女にあった。